立花友佑さんへのリレーインタビュー

アパレルブランドone8ty代表 佐野大祐さんからのリレーインタビューは、フットゴルフのジャパンチャンピオン立花友佑(ゆうすけ)さんです。
今回も新型コロナウィルスの影響のため、オンラインによるリレーインタビューとなりました。

フットゴルフ。私は初めて聞くスポーツです。
実は、今年日本でワールドカップ開催が予定されていました。立花さんは、そのワールドカップに出場が決まっていて、世界一を目指して練習されてきました。
コロナによってワールドカップ開催は来年に延期となりましたが、立花さんの目標は「自国開催・自国優勝・世界一」。強い意志をもって、自分との戦いを続けておられます。

立花さんご自身は、その目標に向かって地道に取り組んでいますが、お話しを聞けば聞くほど私のアタマの中には社会ビジネスの可能性が広がってきます。

トップアスリートと社会企業家。絶妙な組み合わせから湧き出てくる発想は、地域経済の活性化など心躍るような展開へとつながっていきました。(聞き手:昆野)

 

――フットゴルフとは、どういうものですか?

立花友佑さん: サッカーボールを蹴ってゴルフをする、サッカーとゴルフを融合した新スポーツです。(オンラインの画面越しに、以下の資料を見せながら)簡単にまとめてみました。

――えっ、ゴルフ場でプレーするんですか?

立花友佑さん: そうです。

――ということは、コースもグリーンも旗もそのまま?

立花友佑さん: そうです。フットゴルフのボールを入れるカップは53cmで、サッカーボール約2個分の大きさになります。

――サッカーボールを蹴るんですね?サッカーで使用するボールと同じものですか?

立花友佑さん: 同じものです。その中でもフットゴルフに向いているボールを選んで使用します。

――そうするとゴルフコースと同じ距離を、18番ホール・パー72で競い合うということですか(笑)?

立花友佑さん: そうです。コースによってですが、ほぼ同じです。

――面白そうですねー(笑)。でもゴルフと違って一打当たりの飛距離は短いので、パープレー(72)で回るのは至難の業ですね。

立花友佑さん: 飛距離も重要な要素ですね。ゴルフの場合は、パー4のコースではグリーンに2オンし2パットでパーという感じですが、フットゴルフの場合は2オンさせるのは難しいので、グリーン外から直接カップインを狙います。

2021年ワールドカップ会場となる
セブンハンドレッドクラブ(栃木県さくら市)

――グリーン上では、ボールは止まりにくいのではないですか?グリーン外からボールを高く上げてスピンを掛けるんですか?

立花友佑さん: そういうこともありますね。カップが傾斜に切ってあったりしてグリーン上は止まりにくいので、マネジメントが重要になります。

グリーン周りからカップインを狙う

 

――今年は大きな大会はあったんですか?

立花友佑さん: ワールドカップを日本で開催する予定でしたが、コロナの影響で来年2021年に延期になりました。残念ですが、来年に向けて練習するしかありません。最近やっと試合も再開しているので、これから試合の感覚を取り戻していくことになります。

――東京五輪も延期になり、トップアスリートは様々な工夫をして心身ともに鍛え直している人が多いと思います。自分自身と向き合う時間がかなり多かったと思いますが、立花さんはこの時間をプラスにできたと感じますか?

立花友佑さん: 基礎体力の強化やプレーの基本を繰り返してきました。それを続けるしかないと覚悟を決めてやってきました。来年に延期になったことをポジティブに捉え、しっかり準備していきたいと思います。

――フットゴルフを始められたのはいつ頃ですか?

立花友佑さん: 2017年からです。今年で3年目です。

――まだ3年目なんですか?昨年は、国内大会で何度か優勝をされていますね?

立花友佑さん: そうですね。昨年は、私にとって飛躍の年になりました。これだけ優勝することができました。(以下のリストを見せながら

フットゴルフジャパンツアー2019-20
軽井沢チャンピオンシップ 優勝

ジャパンツアーファイナル2019 優勝

 

――凄い戦績ですね!3年前にツアー初出場してから、優勝と準優勝しかないじゃないですか。今年は優勝しかないですね!これほどの戦績を重ねられるというのは突出した能力があるんでしょうけど、4年前までは何をされていたんですか?

立花友佑さん:ずっとクラブチームでサッカーとフットサルをしていました。ケガに悩まされることが多く、悩んでいた時に、フットゴルフに出会いました。

――運命的な出会いですね!きっかけは何だったんですか?

立花友佑さん: 3年前に、整骨院の院長に誘ってもらってプレーしたのがきっかけです。初めてプレーして3位になり、周囲の人たちから「お前、絶対フットゴルフをやったほうがいいよ」と言われて、ハマってしまいました(笑)。

――結構、ハマりやすいタイプですか?

立花友佑さん: そうなんです。結構どころじゃなく、一度好きになると、とことんどこまでもという感じになってしまいます(笑)。ですから、1年目は上位に食い込むことができず凄く悔しくてしょうがなかったので、オフシーズンに人一倍納得いくまで練習をした結果、2年目に飛躍できたという感じです。

――相当な負けず嫌いですね。どこに面白さを感じたんですか?

立花友佑さん: サッカーと違い一人でプレーする個人競技なので、他の選手のプレーやスコアを見て自分と比較することができ、自分の順位があからさまにわかってしまうところに面白さがあると感じます。自分のポテンシャルというか、日本や世界で何位なんだろうとか。

――この面白さ、やってみないとわからない?

立花友佑さん: やってみないとわからないけど、やってみたら本当にハマっちゃいますね(二人大笑)。

――今3年目で、国内ランキングは何位ですか?

立花友佑さん:現在、国内3位です。ただ他の選手が12試合分のポイントに対して、私はまだ8試合分しか入っていません。今年残り4試合あるので、その分のポイントが入ればいけると思っています。

――いけるというのは、国内1位ということですか?

立花友佑さん: そうです。

――凄いですね!今オンラインの画面上で見た感じでは、やさしそうで少しおっとり系に思えますがかなりの勝負師ですね(大笑)。

立花友佑さん: ハマったら、とことんですから(笑)。

――いいですね!ところで茨城県桜川市役所の職員をされているとのことですが、元々スポーツと両立することを前提に市役所に入られたんですか?

立花友佑さん: 現在、土地改良区の職員として働いています。両立ということもあるんですが、父が身体を壊してしまったことが大きな理由です。私が実家近くにいながら、安心して仕事とスポーツができる方法を考えて、現在の職場の試験を受けたんです。
入る前は、3年間ほど歯科系の総合商社で営業をしていました。茨城県内ほとんどの歯科を回っていて結構ハードな仕事だったので、現在の職場に入ってみて「あれ?」という感じでしたね(二人大笑)。

――そうでしたか。立花さんのようにスポーツで活躍されている人がいると、市全体が話題にあがることも多くなるし、市外から訪れる人も増えるでしょう。そういう意味では、地域活性化の起爆剤としての可能性を秘めていると言えますね。

立花友佑さん: 市長も応援してくれています!

――市長自らスポンサーになる、ですよね!まずは、そこからじゃないですか(笑)。

立花友佑さん:私個人のユニフォームにも、桜川市の市章のシンボルマークが入っています。

――フットゴルフで地域おこし。これ、イケますね!是非、推進してほしいですね。ところでこれまで対戦した相手で、これは凄いなと思った選手はいますか?

立花友佑さん:んー、そうですね、前回のワールドカップで優勝しているアルゼンチンのマティアス・ペローネ選手がいます。昨年、中国の大会で対戦し、その時は私が4打差で優勝しました。
その時に、私はこれでイケルなと確信したんです。確かにすごい選手は多数いますが、その時の優勝を機に、私もその中の一人になれたかなと思いました。

――大きな成果でしたね!まだ日本でのフットゴルフの知名度は低いので、何んとか知名度を上げて行きたいですね。

立花友佑さん: 日本でも普及しつつありますが、海外と比べると遅れていますね。アメリカではフットゴルフ場は600か所ほど、イギリスでも200か所ほどあるので日本とはまるで違います。

――国内のゴルフ場は、練習でも使わせてくれるんですか?

立花友佑さん: はい、使わせてくれます。日本では14か所あります。

――利用できるのは、ゴルフのお客さんがいない時間帯ですか?

立花友佑さん: ゴルファーの間に入ったり、午後スタートでやっています。

――えー?びっくりするんじゃないですか、お客さん。一人だけ違う格好をした人がいると思ったら、サッカーボールを蹴り出したと(二人大笑)。

立花友佑さん: そうですね(笑)。とにかく国内でも、多くの人たちがフットゴルフに触れる機会をつくる必要があると思っています。地元の学校などから講演を依頼されることもあり、その時は子どもたちと一緒にフットゴルフの練習をしたりしています。そういう機会を増やして行きたいです。

――どんなお子さんでしたか?

立花友佑さん:好奇心が人一倍旺盛でしたね。取りあえず何でもやってみないと気が済まない子どもでした。それでいて好き嫌いがはっきりしているという子どもでしたね(笑)。

――スポーツはやられていましたか?

立花友佑さん: 小学生の頃から水泳をやっていて、その後サッカーを始めました。休み時間にサッカーをした時に、先生や友達からサッカーやった方がいいよと言われて始めたんです。
それから中学、高校、大学とサッカーを続けてきました。とにかく好きなものは、とことん好きになるんです。好きではないことは、まったく関心がないというか極端なんですよね。
水泳を始めた時は、これ何が面白いんだろうと思っていました。小4からサッカーを始めた時は、すごく面白かった。気づいてみると、その違いは人生を変えるくらい大きなものになっています。

――子どもの頃の夢はサッカー選手になることでした?

立花友佑さん: 小学生の頃の夢はそうでしたね。中学に入ってから半分遊びでサッカーをしていたので、その夢は薄れていきました。高校は練習がきつくて有名なサッカーの強豪校に入学し、サッカー漬けの毎日でした。3年間はサッカーしかしていなかったですね。地獄でした(笑)。

――高校では勝つことが目的だったんでしょうね。楽しくなくなってしまいますよね、サッカーに限らず。
現在フットゴルフと市職員を両立されていますが、ご自身ではどういうところに社会的な意義を感じますか?

立花友佑さん: 私は私自身がそうであったように、子どもたちにも自分の好きなことを一生懸命に取り組んでほしいと思っています。その意味では、私の生き様自体が子どもたちの夢や希望になれたら最高に嬉しいことです。
私自身は、本当に好きなことの中に目的や目標を見出して取り組んでいるに過ぎません。ですから日常の中で時間に追われ、仕事や生活で多くの不安を抱えている人たちからすれば、自由に生きているとしか思えないかも知れません。
でも、本当に好きなことと出会えることは、人生にとって何事にも代えがたい醍醐味があり人生を豊かにしてくれます。もし一人ひとりが自分の好きなことと出会い、そのことに全身全霊で取り組むことができたら、もっともっとみんなが生き生きとしてくると思うんです。
そうしたら子どもたちの目も輝き、社会全体も活力を取り戻せるんじゃないかと思います。そうなったらいいなと思いますね。まずは子どもたちみんなに、そうあってほしいと思います!

――いいですね!大人になるにつれて、多くの人は自分の好きなことをやめてしまいます。忙しいとか時間がないとか、しょうがないと諦めてしまいます。
諦めた大人ほど、自由に生きている人に対して“勝手気ままな生き方”というレッテルを貼ったりします。いつの間にか、自由ということと、好き勝手ということとが同じように扱われていることにびっくりします。それは多分、不自由さの裏返しで、満たされない想いの現れだといえます。
私自身は、社会的問題・課題の根源的な要因が、そういうところに根強く蔓延っていると感じています。

立花友佑さん: フットゴルフをしている人の中にも、仕事が多忙で月1回フットゴルフをやれればいいと諦め半分で続けている人もいます。
子どもたちに言いたいのは、好きなことをしていても思うように上手になれなかったり、試合で勝てなかったり、あるいは試合に出られなかったりするかも知れない。でも今やりたいこと好きなことに、全力を挙げて取り組んでほしいということです。
今しかできないことに一生懸命取り組むこと自体が、その後の自分の人生にとって大きな財産になるはずです。大人になると、つい先のことを考えて躊躇してしまうことが多くなりますが、子どもたちには思う存分に楽しんでほしいですね。そういう子どもが大人になった時に、子どもたちの夢や希望を尊重できる大人になる。社会はきっと良くなっていくと思います。

――大人たちは、子どもたちの夢や希望に水を差さないでほしいですね(笑)。
立花さんが活躍されることで桜川市の知名度は高まるでしょうし、今後かなり大きな経済効果をもたらすことになるかも知れませんね。同僚の方々も鼻が高いでしょうし、これまでも優勝された時など地元メディアが取材に来たりしたのではないですか?

立花友佑さん:ありましたね。テレビ局やラジオなど。メディアの方と一緒にフットゴルフにも行きました(笑)。

――現状ではフットゴルフの知名度は低いかも知れませんが、今のうちから街をあげてフットゴルフの普及や知名度アップに取り組むことで、桜川市の地域振興に大きな可能性をもたらすでしょうね。多分、目に見えるように効果が現れてくると思います。
市長も立花さんの活躍をかなり期待されているのではないですか?

立花友佑さん: そうですね。オーストラリア遠征で一週間休暇を取る時でも、市長は「行って来い」と後押ししてくださいました。あとは、練習場を市内に確保してほしいです(笑)。

――ところで来年日本で開催されるワールドカップは、どこで開催される予定ですか?

立花友佑さん: 栃木県さくら市です。

――えー、すでにお隣に後れを取っているじゃないですか(二人大笑)。知らない間に決まっていたんですか?

立花友佑さん:開催場所を聞いた時は、「ああ、そうなんだ」という感じでした(笑)。車で1時間程で行けるところなので、みなさん「応援に行くよ」と言ってくれます。嬉しいです。

――応援に来てもらえることと街おこしとは別なんですけどね(笑)。どこの国が熱心に取り組んでいますか?

立花友佑さん: アルゼンチン、英国、仏国、オーストラリア、マレーシアですね。フットゴルフの知名度は日本と全然違いますね。

――サッカー選手が引退してから参戦することも多いですか?

立花友佑さん: 多いですね。これから増々、選手の裾野が広がって来ると思います。

――桜川市をフットゴルフのメッカに!これくらいのノリで行きたいですね(笑)。
立花さんが活躍されれば一躍、桜川市の知名度が上がるのは間違いないですからね。すでにメジャーになっているスポーツでは難しいですが、今から街をあげて虎視眈々と取り組めば一気にメッカになりますよ。
カーリングもそうじゃないですか。
子どもたちに教える機会はあるんですか?

立花友佑さん: サッカーのスクールやクラブチーム等で教えています。

――市内のスクールですか?

立花友佑さん: 市内と市外もあります。もっと増やして行きたいですね。

――是非、広げてほしいですね。最近よく感じるんですが、選手からアスリートという言い方に変わってきて、トップアスリートほど「楽しくプレーする」と言います。とてもいいことですね!
私は25年間会社員をやってきて、今、「社会企業家」と名乗っていますが、“サラリーマンと社会企業家”の違いが、“選手とアスリート”の違いと重なって見えています。
一言で言えば、“やらされ感から、自分自身のために”。自分自身のために全力を尽くすことで自分が納得でき、さらに多くの人たち特に子どもたちが夢を抱き感動する。
先ほど立花さんが言われていた「好きだからこそ一生懸命に」というのは、アスリートと社会企業家どちらにも通じる生き方だと思っています。
これからどうしたいですか?

立花友佑さん:今はワールドカップに向けて全力を尽くす、その一点です。目指すのは「ワールドカップ優勝、自国開催・自国優勝、世界一」です。

――やればやるほど夢は広がりますね!今日はありがとうございました。

 

来年のワールドカップで世界一になる。
こんなに高い目標を実現しようとしている方と、お話ししたのは初めてだなあ。そう思いながら、私はこの原稿を書いていました。

今年、ワールドカップが予定通り開催されていたら、すでに立花さんは世界一になっていて、数々の取材に追われ、このリレーインタビューをさせていただくことはなかったかも知れません。そう考えると、出会いや巡り合わせというものの面白さ、不思議さを感じます。
遊びでサッカーをしていたら、先生や友達からサッカーやった方がいいよと言われたといいます。初めてフットゴルフをしてみたら3位になり、周囲から絶対続けた方がいいと言われたようです。こういう人を、“何かもっている人”と呼ぶのでしょうか(笑)。

そういう立花さんが子どもたちに伝えたいことは、「好きなことを全力で!」ということ。立花さんご自身が歩んで来た道なのでしょう。

自ら体現してきたことを伝えられる大人。私は、ここに共感しています。
こういう大人が増えたら、いいですね!
子どもたちはプレーや所作を見て感動し、その志やひた向きさに生きざまを感じることでしょう。

「好きなことを全力で!」
その本質を知ることができるのは、そう生きている人のみ。

立花友佑さんは自分自身を生き抜くことによって、私たちに“生きる歓びとは何か”を伝えてくれる人でした。

 

■立花友佑さんのプロフィール

1987年 茨城県桜川市出身
小学生から社会人までサッカーに没頭。
2017年にフットゴルフに出会う。
2018年にジャパンツアーに本格参戦し、
2019年にはジャパンチャンピオンに。
2021年日本で開催されるワールドカップで世界一を狙う。

立花友祐Instagram
立花友祐Facebook

Comments are closed