【なつかしい】④

Ch:どうしてもこうしたワークに参加する人間は、瞑想とかに興味を持って色々なアイディアがあるわけですね。光明を得るとか悟るとか。そういった中でステップアップしていくアイディアがあって、どこかに辿り着きたいというマインドや思考法があります。これは多分に我々の教育から、そういう見方になっていると思います。それが、興梠さんの言うところの【なつかしい】は、そういう思考法では捉えられない。そこをなんとか伝えようとして、色々な工夫をされていると思うのですが。

K:瞑想をしている人の中には、『いや、まだ光明を得てない』『なんだ!これじゃ、まだまだだ』などの思いをしている方も多いようですね。世の中では、人間が進化していく、進歩していく、成長していくのをグレードが上がると解釈する傾向が多分にあります。今日より明日、明日より明後日、5年前より今、さらに5年後っていうように。ここでも、やっぱり教育の影響が強いようです。そうなるとヒエラルキーができます。例のピラミッドみたいな、トップを目指す形。優劣ですね。たとえば、3年前の自分に比べたら、今の自分は随分と成長したなという、自分の中でも優劣をつける。ところでエンライトメント、光明を得ようと日々努力している人は、なぜ悟りたいのでしょう?光明を得たら世の中はもっと光り輝くだろう。もしくは、気になって仕方がない事が気にならなくなるかもしれない。もっと愛を人に施すことができるかもしれないとか、そんな思いがあるのでしょうか。

おそらく、光明を得た人は『このままの世の中ではいけない』と不足を感じます。僕が思うに、それは一言で言いますけど野心です。どうしても光明という言葉を使うなら、要するに光明そのものが世の中に充溢、充満してるんですよ、本当は。ところが、さっき僕が言ったように肉体はこっち側、俺の外側ってどこだよってキョロキョロする。光明は充満している側にいるんですよ。そのチャンスをど忘れさせている。冒頭の話に戻りますけどね。だから自分の居場所を閉じ込められたんです。
『あなたは子供だから』
『男の子のくせに』
『俺ってどこから見ても、鏡で見ても男だ』
『私ってまだ8才だわ、この大きさは』
『お兄ちゃん、見てよ!』っていうふうに、ライバル意識や比較が始まります。これはある意味で、人を非常に不安定にさせる。人を注目させる手っ取り早い方法は、怖がらせる事だと僕は思います。不安がらせる事ですよ。もしくは『劣っている』とか言って比べっこさせると、人間は頑張りますよ。『今一歩だ』『ここまで来たんだから』とね。

ところで、エンライトメント、エンライトする。これはすごい綴りですよね、スペルを見ると。日本語だと光明、光と明るいという言葉ですから。でも、ここに何か固定観念がないでしょうか?すなわち、今じゃない、これじゃないっていう形で先へシフトしていくような。ようし、この方法でやっていけば、この練習をしていけばと先へ先へと行く。でもね、ここで僕が皆さんに言いたいのは、私たちは生まれたという過去、その出発した所をもう一度確認をして欲しいという事です。【なつかしい】セミナーを体験すれば、誰もが思い出すと思うんです。あえて思い出すという言葉を使い続けましょうね。このセミナーで皆さんは、最初から備わっていたんだという事を実感します。思い出すわけです。思い出すワークの中で、未来にも触れます。未来というけど、究極の未来は過去なんです。過去とは、もうひとつ完成していない未来です。具体的に言えば、過去こそがほとんどの出来事がそろっている。

日本の俳画や水墨画にたとえると、あと一筆をフッと入れるだけで、それが光り輝くものになる。要するに究極の未来は過去であったという事。過去は終わってない。過去は思い出されたがっている。もう一筆、誰が入れる?あなたが!どうやって?そう、あなたがあなたを思い出す事です。思い出すというアクションとは、一筆をフッと入れる事。画竜点睛を欠くというコトワザが中国にありますが、竜の絵を描いてあとからポンと睛(ひとみ)を描く。【なつかしい】はそれに尽きると思います。ただ、画竜点睛とか竜の話をすると堅苦しくなるけど、本当はニコニコ、クスクス、ダラダラ、のんびり、大らかに。僕のワークはいつもそれを大事にしています。だって、大らかなものこそ、のんびりしたものこそ命なんです。ダーウィンの進化論ってあるでしょ。ダーウィンそのものが言った事は、解釈が随分ねじ曲げられましたね。彼はそういう事を言ったわけじゃないんです。あるがままという言葉を使えば、正にあるがままを報告しただけなんです。だけど、しつけとか教育とかに進化論って、ものすごく便利なんですね。

Ch:なつかしい顔のエクササイズをやります。なつかしい顔に戻っていく。なつかしい顔って、まだ参加した事のない方にはアイディアがないと思うんです。どういう顔を、なつかしい顔って言うんですか。
~次回へ続く~

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